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フリースクールの正しい選び方を教育現場関係者が紹介

近年、小中学生よる不登校の数が増えており、文部科学省が主導して官民を交えた対策が進められています(※1)。

10年~20年前に比べて、全国の自治体でスクールカウンセラーの配置、教育支援センターの設置等の支援体制が整いつつありますが、不登校になる理由は様々なため、根本的な解決に至らないのが現状です。

そうした中、民間の教育支援事業である「フリースクール」の役割が注目されています(※2)。もし不登校になってしまっても、お子様本人に「学校に通いたい」「何かを学びたい」「友達を作りたい」といった前向きな気持ちがあれば、フリースクールを通じて学生生活の立て直しが期待できます。

(※1)文部科学省:フリースクール等に関する検討会議

(※2)文部科学省:フリースクール・不登校に関する取り組みQ&A

そこで今回は、小中学生で不登校になってしまった際のフリースクールを利用する際に大切な、「フリースクール選びに役立つ情報」を紹介します。

フリースクールの正しい選び方2点

はじめに、フリースクールの正しい選び方を説明していきます。注目ポイントごとに押さえておきたい内容をまとめました。

選び方1:フリースクールのタイプを見極める

一口にフリースクールといっても、さまざまな目的や特徴があります。

不登校になっているお子様の「性格・特徴」、不登校になった「状況・理由」「今後どのように過ごしたいと思っているか」など、目的や考えによって、フリースクールとの相性が変わってくる可能性があります。

フリースクールは「タイプ」ごとに重視している内容が、異なる点が多いため、「フリースクールのタイプを見極めること」が非常に重要です。以下ではフリースクールのタイプを5つに大別して説明します。

タイプ1:学校復帰支援タイプ

在籍校に復学することを第一目標にしているタイプのフリースクールです。

「生活リズムの修正」「勉強の遅れの補助」「問題解決までの一時的な退避先としての機能」などが充実しており、復学のために応じた指導員が在籍しております。

「大きく問題がこじれていない」または「不登校になって日が浅い状況」や、「お子様が学校復帰に向けて強い意欲を持っている場合」には有効となるフリースクールです。

具体的には「一部のクラスメイトや担任の先生とは上手くいかなかったけど、新学年になってクラス替え、担任交代があれば復帰できそう」「特定の友達とトラブルはあったが、学校には仲のよい友達がいる」など、お子様の身の回りに「復帰の足がかり」がはっきりとしている場合は、おすすめできるフリースクールのタイプです。

タイプ2:子供の居場所重視タイプ

いじめや人間関係トラブルなど、お子様が心に深い傷を負ってしまっていると判断した場合は、「居場所を大切にしたタイプのフリースクール」がおすすめです。

このタイプのフリースクールにはNPO法人や親の会などが運営しているものも含まれていて、費用が安いこともあります。

民間のフリースクールでも居場所重視タイプであれば、専門のカウンセラーやボランティア学生などを配置して、まずはお子様の心を癒し、緊張をほぐすことから入ってくれるため、安心できます。

学業のサポートなどは後回しとなりますが、気持ちの整理がつかないままでは、勉強にも集中できませんし、人間関係で傷付いた心を回復することも難しいといえます。

タイプ3:非日常体験タイプ

「自主性を重んじる活動」「自然の中での共同生活」「動物や芸術とのふれ合い」など、通常の小中学校ではあまり体験できないような活動を主軸にしたフリースクールです。

こうしたフリースクールは、日常生活に行き詰って不登校になってしまったようなお子様に新しい価値観を見つけてもらうこと、いじめ、人間関係トラブルからの回復、ゲーム・携帯中毒からの脱却など、価値観の反転を狙う場合に効果的とされています。

ただし、お子様の意思に反して入学させてしまうと、「やらされている感」を持ってしまい、余計にトラブルになることがあります。

そのため、非日常体験タイプのフリースクールを選ぶ場合は、活動状況の下調べやお子様の意思確認、運営者との綿密な連絡などを、慎重に検討する必要があります。

タイプ4:個別指導タイプ

学力面のサポートを重視するタイプのフリースクールで、学習塾や家庭教師会社が運営元、または提携先である例もあります。

「周囲に合わせた集団行動や人間関係が辛いだけで、学びの意欲は強い」「事情があって学習状況に遅れが出てしまったが、本来勉強は得意だった」といった場合に効果を期待できます。

こうしたフリースクールは学習面での指導ノウハウに自信を持っており、学習指導面での充実した環境や、学力の充実による高校受験突破への合格実績を公開していることが多いです。

自宅訪問やWeb授業に対応するフリースクールも増えています。

タイプ5:専門的(医療的)サポートタイプ

うつ病などの精神疾患を抱えている場合や、パニック障害、発達障害、学習障害、HSⅭなどの生まれつきの特性を持つお子様でも「専門的なサポート体制」が整っているため、安心して指導を任せられるタイプのフリースクールです。

多くの場合、専門的な医療機関やカウンセリングルームと提携していることが多いため、親御様としては安心できます。

障害の程度が自力で日常生活を送るのに困難なレベルとなれば、特別支援学校へ進むことも検討されますが、「症状や特性にさえ注意していれば、いろいろな能力を発揮できる」といったお子様であれば、ペースを乱されることなく伸び伸びと過ごせる可能性があります。

フリースクールの属性を直接調べて聞くことが重要

上記の分類基準は、多くのフリースクールを見てきた筆者による主観的な内容が入ります。

その中で、「フリースクールのタイプ1~5」の中から一つのタイプに属性するのではなく、複数のタイプにまたがった性質をもつフリースクールも多く存在します。

例:「タイプ1とタイプ2を合わせたタイプ」「タイプ1と3と5を組み合わせタイプ」「全てのタイプを兼ね備えたタイプ」のフリースクールなど。そのため、「お子様の状況」と「フリースクールのタイプ1~5」の内容に合わせて、気になるフリースクールがございましたら、「希望するタイプに力を入れているのか?」「どの様な形で力を入れているのか?」を、お問い合わせして聞いてみることをおすすめします。

選び方2:中学卒業以降のサポート体制の有無を確認

フリースクールを選ぶ際には、次に進む進路先へのサポート体制が整っていることも重要です。

将来の進路を考えると、高校や大学への進学、社会人として自立した次の道へ進むことになります。

そこで重要なのが、中学卒業以降のサポート体制です。

小中学生を受け入れている民間のフリースクールの中には通信制高校も運営しており、初等部、中学部から受け入れていく体制がしっかり整っている場合もあります。

そのため、お子様がフリースクールの環境を気に入っている場合、次へ進む進路先として「フリースクールに近い環境」が用意されていることで、新しい環境へスムーズに入っていきやすいため、お子様は安心感を持つことができるかと思います。

フリースクールを選ぶ時の注意点

続いて、フリースクール選びでの注意点についていくつか紹介します。

フリースクール選びにおいてチェックしておくことで、事前にトラブルを防ぐことができる内容です。

注意1:運営者情報を確認すること

フリースクールの運営者がどのような団体であるかはチェックしておくことをおすすめします。

フリースクールは、学習塾などの教育関連団体や、会社組織、NPO団体、自治体連携型、ボランティア運営までさまざまです。

どの運営者が「良いのか、優れているのか」ということはありませんが、運営者情報が公開されていないようなフリースクールの場合、怪しい団体である可能性が高いため、辞めておいた方がよいでしょう。

フリースクールのホームページから運営情報ページで簡単に確認することができます。

注意2:教員情報等の公開

「専任の教員を雇っているか」「教員資格や関連する資格を持った指導員をどれくらい配置しているか」「普段から子供に接するのはどういった人物であるか」といった情報を公開しているフリースクールが望ましいです。

ホームページでは公開していなくても、説明会などで教員を紹介してくれるフリースクールなら安心できます。

注意3:カリキュラムについて

フリースクールのカリキュラムは、スクールによって大小異なります。お子様が興味を持つ分野やスキルを学べるか、カリキュラムを確認しましょう。

また、基礎学力な授業だけでなく、アートやスポーツ、IT分野、社会貢献活動などの中で、気になるプログラムにも「力をいれているか?充実しているか?」も確認することがおすすめです。

注意4:無料体験授業など

フリースクールを選ぶうえで最終的に大切なことは、「お子様とフリースクールの相性が合うこと」が最も重要です。

少なくとも1回、または数回の体験学習(参加)ができれば理想的です。

気になるフリースクールにお問い合わせ時に、体験授業を実施しているか聞いてみることをおすすめします。

親御様は気持ちを整えた上でお子様と一緒にフリースクールを探しましょう

長年にわたり教育関連事業に携わる筆者としては、フリースクール選びで大切なことは、親御様が「フリースクールにはタイプの違いがあることをわかっているか」「フリースクールを誤解なく理解しているか」だと思います。

お子様が不登校になり動揺する気持ちはあると思いますが、「現代において不登校自体は誰にでも起こり得ること」といった事実を認識しておき、いざお子様が不登校になってしまった時には、落ち着いて対処できるのが理想です。

お子様が自分の意思でフリースクールへ通う選択肢ができた際には、親御様の希望するフリースクールへいくことを押し付けるのではなく、お子様の希望にも耳を傾けることが大切です。

お子様が明らかにモラルに反した選択肢をするならば、親として止めるのは当たり前なことですが、お子様の希望を聞きながら、お互いで満足できる着地点を見つけて理想のフリースクールを一緒に探して頂ければ幸いです。

「良いフリースクールと出会うことができれば、不登校になる前より充実した生活を送ることができる可能性も十分にある」ということをご理解いただいたうえで、この記事の内容を基にフリースクール選びに役立てていただけたら幸いです。

「長期の不登校をなくしていくために。」


浦和高等学園中学部

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