フリースクールを探していらっしゃる生徒や親御様の中で、「フリースクールへの受け入れを拒否されてしまうのではないか?」と不安に感じる方がいると思います。
結論から先に述べると、フリースクールは「学校教育が困難な生徒や、学校に馴染めない生徒、いじめ経験者、学習障害がある生徒」などを対象とすることが多く、生徒を入学拒否することは少ないと思われます。
フリースクールは公私立の小中学校とは違い教育体系が柔軟で、生徒個々の学習ニーズや生活状況に対応しやすいことが特徴です。
しかし、フリースクールへの受け入れ可否については、学校側の都合によっては受け入れが難しい場合もあります。
そこで今回は、フリースクールへの受け入れ拒否がある場合の内容や、受け入れ拒否に対する対策方法を解説していきます。
フリースクールが生徒の入学を拒否する理由
フリースクール側は、不登校で辛い心情を持つ全ての生徒を救いたい想いは勿論あるでしょう。
しかし、スクール側の事情により受け入れに対する制約を設けている場合があるため、全ての生徒が受け入れることができません。
そこで、フリースクールが生徒の入学を拒否する理由を紹介します。
1:定員数オーバーの場合
フリースクールの定員数は、生徒の受け入れを拒否する最も一般的な理由です。
フリースクールは、一人ひとりの生徒に対して個別化された教育や支援を提供することを目指しています。
そのため、教員一人あたりで見ていく生徒数や、学校全体の状況を見ていくのに限りがあることが多いです。
フリースクールが定員を設ける理由は、生徒への教育品質を維持し、教員の過重労働を防ぐためです。
一人の教員が担当する生徒数が多過ぎると、生徒一人ひとりに対する注意が分散されてしまい、教育の質が低下する可能性があります。
また、教員が多数の生徒を管理することは教員への負担がかかり、過重労働につながる為、結果的に教員の離職率の上昇を招くこともあります。
また、学校の空間も定員の決定要因となります。
教室や共有スペースの大きさ、安全基準などにより、学校が受け入れることのできる生徒数には上限が存在します。
したがって、定員を超えた場合、フリースクールは新たな生徒の入学を拒否することがあります。
そのため、入学を希望するフリースクールの定員情報を早期に確認し、入学申請のタイミングを計画することが重要です。
2:特殊な教育ニーズが必要な場合
特殊な教育ニーズは、フリースクールが生徒の受け入れを拒否する一因となり得ます。
特殊な教育ニーズを持つ生徒とは、「学習障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、HSC」などの、症状によってはコミュニケーションを取る事が困難になる様な、特定の支援を必要とする方を指します。
フリースクールはスクールの方針によって、特殊なニーズに対応するためのリソースや専門的な教育スタッフを必要とします。
しかし、これらのリソースやスタッフが不足している場合、または既に多くの特殊な教育ニーズを持つ生徒を受け入れていて、これ以上の受け入れが困難な場合は、フリースクールは新たな生徒の入学を拒否することがあります。
さらに、フリースクールが特殊な教育ニーズを持つ生徒を適切にサポートするためには、個別教育計画(IEP)の作成や実施、適切な教材の提供、個別指導や少人数での指導など、様々な対応が必要となります。
これらの対応は、リソースと時間を大量に必要とし、すべてのフリースクールが提供できるわけではありません。
したがって、お子様が特殊な教育ニーズを持つ場合は、フリースクールに適切なサポートが受けられるか確認することが重要です。
3:重度の行動問題がある場合
フリースクールは生徒一人ひとりに対して個別化された教育を提供することを目指していますが、重度の行動問題を抱える生徒の受け入れが、時に困難となる場合があります。
重度の行動問題とは、生徒が自身や他者、またはその環境に対して繰り返し危害を及ぼすような行動を示す状況を指します。
これには、攻撃的な行動、深刻な反抗行動、他の生徒の学習を妨げる行動などが含まれます。
フリースクールが重度の行動問題を持つ生徒を受け入れることが困難な理由はいくつかあります。
まず、そのような生徒は特別なサポートや介入が必要であり、提供するためには訓練を受けたスタッフや専門的なリソースが必要となります。
しかし、すべてのフリースクールが提供できるわけではありません。
また、重度の行動問題を持つ生徒がいると、他の生徒の学習環境に影響を及ぼす可能性があります。
フリースクールは生徒一人ひとりの学習を最優先に考えるため、他の生徒の学習が妨げられる恐れが見られる場合、受け入れを拒否することがあります。
そのため、重度の行動問題を持つお子様や親御様は、フリースクールに入学する前に十分なカウンセリングや準備を行うことが重要です。
また、フリースクールが提供できるサポートや介入について詳しく理解した上で、適切な学習環境を選択することが求められます。
フリースクールの受け入れ拒否に対する対策
フリースクールの受け入れ拒否に関する理由を説明してきましたが、受け入れ拒否を回避するための対策について紹介します。
1:早期の連絡と情報収集
フリースクールへの入学を希望する場合、早期の連絡と情報収集が非常に重要です。
これには、スクールの「方針や教育内容、定員、学費、必要な書類、入学試験や面接の有無」など、入学に関する情報を把握することが含まれます。
まず、フリースクールの公式ウェブサイトやパンフレットで情報収集しながら、興味のあるフリースクールの「見学会、説明会、個別相談」へ直接行って、細かい内容を質問しながら情報収集しましょう。
これにより、そのスクールが親御様やお子様のニーズや期待に合致するかの判断をすることができます。
また、フリースクールへ直接行かなくても、お電話やメールで直接連絡を取り、情報入手することも有効です。
その後、可能であればフリースクールのスタッフや教員と直接会って面談を設定し、教育方針や特色、サポート体制などについて直接質問することをおすすめします。
さらに、スクールが提供する教育サービスについて、周りに居ればですが、他の保護者や卒業生からのフィードバックを聞くことができれば大変有益な情報です。
実際に通っていた人間の経験や視点から、運営状況や教育環境の本音を聞けるのは、さらに理解度が高まる情報を聞く事ができるかと思います。
早期の連絡と情報収集は、不必要な混乱やフリースクールに対する失望を避けるためにも重要です。
また、定員に達してしまう前に入学申請を行うためのタイミングを逃さないためにも、早めの行動が求められます。
2:フリースクールの選択
フリースクールを選ぶ際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。
スクールの教育方針や、教員の資格や経験、学校の場所や設備などのお子様や親御様個別のニーズが含まれます。
まず、フリースクールの教育方針や教育方法は、そのスクールがお子様の学習スタイルや個別のニーズに適しているかどうかを判断する重要な要素です。
フリースクールは一般的に生徒の自主性や創造性を尊重する傾向がありますが、具体的な教育方法やカリキュラムはスクールによって大きく異なります。
次に、教員の資格や経験も重要な考慮事項です。
教員が適切な訓練を受けており、その分野での経験が豊富であれば、お子様は良質な教育を受ける可能性が高まります。
また、フリースクールの場所や設備も考慮に入れるべきです。
自宅からフリースクールまでの距離が遠くて通学が困難である、必要な設備を提供していない場合、登校に悪影響が及ぶ恐れがあります。
以上の要素を考慮に入れて、お子様や親御様のニーズに最も合ったフリースクールを選ぶことが重要です。
3:受け入れ前のカウンセリングを実施
受け入れ前のカウンセリングは、フリースクールがお子様に適しているかどうかを判断するための重要なステップです。
カウンセリングではスクールのスタッフや教員が、お子様の「学習状況、スクールに対する興味、お子様の強みや挑戦したいこと」などについて詳しく知る機会を持つことができます。
同時に、親御様もフリースクールがお子様のニーズに対応できるかを評価する機会となります。
カウンセリングは通常、面談形式で行われます。
スタッフや教員はお子様や親御様から情報を収集し、フリースクール側が提供できるサポートやサービスについて説明します。
そして、お子様や親御様は、スクール側に対して質問をすることができるため、お子様の懸念点や希望を共有することができます。
このプロセスは、「フリースクール側とお子様、親御様の間」に信頼性と理解を築くための第一歩となります。
それはまた、受け入れ後のお子様の教育計画を適切に作成するための重要な情報にもなります。
したがって、受け入れ前ですが、カウンセリング段階での正直なコミュニケーションは非常に重要です。
カウンセリングを行っていないフリースクールであっても、個別学校説明会や個別相談の場でカウンセリングを実施してくれるスクールは多いです。
そのため、気になるフリースクールが見つかった際には「カウンセリングをお願いしたい」と、気軽にお問合せすることをおすすめします。
また、カウンセリングを実施したからといって、確実に入らなければいけないといった決まりごとは一切ございませんので、ご安心ください。
フリースクールの受ケ入れ拒否まとめ
フリースクールが独自の教育方針と指導法を持つ一方で、お子様の受け入れを拒否することがあるという事実はあります。
フリースクールの定員、特殊な教育ニーズ、重度の行動問題など、さまざまな要素が受け入れ拒否の背後にあります。
しかし、これらの課題は、フリースクールへ入ることを希望する家庭がより具体的な準備と計画をするための機会でもあります。
早期の情報収集、フリースクールの選択、受け入れ前のカウンセリングは、受け入れ拒否を回避するための重要なステップです。
最後に、複数のフリースクールに受け入れ拒否されてしまった場合でも、各都道府県の「教育相談センター」へ相談することをおすすめします。
フリースクールへの受け入れ先が見つからず、心身共に疲弊してくることがあるかもしれません。
その場合、公的機関の専門家へ現状の想いや要望を隠さずに伝えて、お子様の成長を最大限引き出すことができる環境を見つけて頂ければ幸いです。
第三者に頼ることを恥ずかしいと思わずに専門性の高い人間に不安を共有することは、辛い時にはとても大切なことで、解決の大きな一歩だと思います。
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