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不登校のお子様をもつ親御様の「しんどい気持ち」から抜け出すために必要なこととは?

不登校の大きな問題点の1つとして、悩みを抱えるお子様本人だけでなく、親御様までも「しんどい気持ち」になってしまい、不登校からの再起が遅れてしまったり、事態がさらにこじれてしまったり、と負のスパイラルに陥る可能性がある点です。

今回は、そうした保護者の「しんどい気持ち」「不登校のわが子を抱えてどうしていいかわからない気持ち」に焦点を当て、解決に向けたヒントをご説明していきたいと思います。

なお筆者自身も20年以上にわたる不登校・引きこもり児童の指導・相談の経験があり、多くの生徒を立ち直らせ、フリースクール、通信制高校、そして大学など、その子がのびのびと力を発揮できる場所へと導くお手伝いをしています。

ここでは、一般的な情報に加え、そうした実例から得られた知見も基にしてご説明していきます。わが子の不登校に戸惑われている親御様にとって、力になれることを願っています!

本題に入る前に1つ、確認しておきます。

不登校は今や日本社会共通の問題であり、家庭環境や親御様個人の問題だけではありません。

出典:文部科学省令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要

グラフを見てわかる通り、特にここ数年は爆発的に不登校児童が増加しています。同出典からはいじめの増加も報告されています。

適応指導教室(教育支援センター)などの公的支援も、自治体によっては拡充が追いつかない事態も起きています。

そんな中、不登校の現実的受け皿として、また社会復帰していく別ルートとして、フリースクールや通信制高校の役割が注目されています。(※1)

(※1)文部科学省:不登校に関する調査研究協力者会議フリースクール等に関する検討会議合同会議

親御様がしんどい理由と対処法

本題である「親御様までもがしんどい気持ち」になってしまう原因ついて具体的に見ていきます。

5つの例を挙げますので、「しんどい理由」と見つめ合いながら、ご自身の現状と向き合う機会を見つけていただければ幸いです。

不登校に対して、親御様視点で何がつらい原因になっているかを考えてみることで、冷静になれることもあるため、まずは分析してみましょう。

それぞれの理由ごとの対処法にも触れていきます。

1:不登校がうしろめたくて、しんどい

昭和世代の方は、不登校というとどうしても「サボり」「甘え」などのネガティブなイメージと結びつけてしまいがちです。

特に小・中学生での不登校は「義務教育なのに通わせられていない」「近所や親戚に知られると恥ずかしい」と、うしろめたく感じてしまい、ご自身を責めてしんどくなってしまう親御様が多くいるようです。


【対処法】

昨日までは人気者だった子が、次の日には身内のルールから反した結果、グループ内からはじかれてしまう程、学生時代の人間関係は流動的でもあります。

そのため、不登校は誰にでも起こり得るため、「不登校がうしろめたい・世間体が悪い」といった認識は今すぐ捨てるべきだと思います。

親御様の責任としては、不登校のお子様に「しっかりと向き合う気持ちを持つこと」が重要ですが、お子様の気持ちを考えると、すぐに前向きな感情に切り替えることが難しいことは分かります。

ただ、お子様が学校に通っていれば、誰にでも起こる不登校問題に直面した際に、現実から逃げるのではなく「現実と向き合う気持ちを持つこと」が重要なのです。

2:わが子の本音がわからず、しんどい

学校に行きたくない理由として、お子様の本音を聞き出したくても話してくれない。

キレる・泣く・引きこもる・・・など、お子様の本音がわからないまま時間が過ぎることを「しんどい」と感じる親御様は多いようです。


【対処法】

お子様を問い詰めるのは逆効果です。

まずはお子様が安心できる居場所を与えることに集中しましょう。

学校へいけなくなってしまった時に、お子様にとってはじめにつくってあげる居場所は、一日の生活の大半を過ごす「ご自宅の環境」です。

お子様が少しでも負の感情を緩和できる環境作りを大切にしてください。

お子様の気持ちが落ち着いてきたら、次のステップとしてフリースクールなど「次の居場所」の提案をする過程で、隠していた気持ち、本音を話してくれることがあります。

不登校のお子様を持つ親御様へ。お子様の居場所を作るために必要なこととは?

お子様が一日中ご自宅にいることで親御様からみると、「このまま家から出ない状態になってしまわないか?」といった不安に駆られてしまうこともあるかと思います・・・

そんな時は、お子様の全てを受け入れるのではなく、居場所作りの中で「わがままな行動」を取ろうとした場合は、しっかりと注意すべきです。

注意する際に気をつけていただきたいことは、頭ごなしに否定から入りシャットダウンするよりも、わがままな行動を取りたい理由を聞いてあげた上で、行動をとってはいけない理由を丁寧に教えてあげてください。

お子様の本音が見えない状態でいると、親御様として気持ちに焦りやストレスが生じてきます。

その結果、お子様のわがままに強く当たってしまったり、何でも受け入れてしまうこともあります。

そんな時は、今までお子様を育ててきた親御様としての「経験やプライド」があるからこそ、人生の先輩として冷静な判断が取れる精神状態で居てあげてください。

3:相談できる相手がおらず出口が見えないため、しんどい

「不登校のことを誰に話してよいかわからず、つらい」という意見も聞かれます。

しんどい気持ちなるということは、近くの方に話せる相談相手がいないことが多いため、出口が見えずにしんどくなってしまう親御様も多く見てきました。


【対処法】

ご自身の悩みを共感してくれる「第三者の方」へご相談するのが適切です。

教育支援センターやスクールカウンセラーがご利用できるようなら、専門家からアドバイスをいただくことも1つの解決策です。

また、近隣にフリースクールがあるのなら、カウンセラーの方が親身になって相談に乗ってくれるはずです。

第三者の方であれば、身近の方へ話すことができない悩みも素直にお話しできるかと思います。

話している途中で辛くなったら、辛い感情を出してください。お子様の現状にフィルターをかけずに正直な今の状態を話してください。

お話し中に涙を流される親御様も多く見てきた中で、我々は親御様・お子様の辛くて出口の見えない現状に向き合う「気持ちと覚悟」は、当たり前に持っております。

繰り返しになりますが、教育機関へご相談する際には、「本音でお伝え頂く気持ち」を持ってご相談いただければ幸いです。

それでも、親御様としては「所詮他人が本当に親身になってアドバイスや相談ごとを聞いてくれるのか?」といった不安もあるとは思います。

正直なところ、ネットの口コミや評判で良し悪しを見ても、正しい判断はできません・・・

それならば、「ご自宅の近くにある気になる教育機関」には、すべてにご相談するべきです。

教育支援センターやフリースクールのWebサイトの情報を基に、気になる教育機関を探すことは間違いではありませんが、本当に信頼できるかの判断は、現場の方と実際にお話ししてみないと分かりません。

近隣に信頼できる教育機関がなければ、行動範囲を広げて探して頂ければと思います。

親御様・お子様にとって信頼できる教育機関に出会えることを願っております!!

4:子どもと精神状態を共有してしまい、しんどい

「いじめや友人間のトラブル、教員の接し方、部活の指導など、不登校の直接的な原因がはっきりしている場合に起きやすいしんどさです。

男性(父親)は怒りの感情、女性(母親)は悲しみの感情を共有してしまいがちです。


【対処法】

親御様まで感情的になったり、鬱になったりしてしまうと問題が解決しません。

まずはお子様に安心できる居場所を提供し、その後にフリースクールなどの新しい道を用意することに専念しましょう。

いじめ、教員の対応、部活の体罰など非がある相手がいたとしても、まずはお子様の立ち直りを優先させることが重要です。

実際に親御様からのご相談で、通っていた学校側の対応を聞いて、こちらも悔しい気持ちになることもあります・・・

それでも、まずは親御様・お子様の「希望ある今後」を作ることを最優先にして、学校側の処々の責任については後日、堂々と訴え出て話し合えばよいのです。

今の時代SNSがある利点として、悪いことやズルいことを隠せなくなってきている社会です。

お子様の不登校問題に対して少し時間が経ったことから学校側が逃げようとしても、後からでも堂々と訴え出すこともできます。

しんどい状態から抜け出す時に取る行動

親御様が感じやすいしんどい状況を分類し、その理由ごとに対処法を書いてきましたが、ここから先は「しんどい状態」から抜け出す時に取る行動について、紹介していきます。

第三者の方に相談する

先ほども書きましたが、第三者の方へ相談することは「しんどい状態」から抜け出すための基本にして非常に有効的な解決方法です。

スクールカウンセラーに相談すれば、近隣のフリースクールや親の会などを紹介してくれる場合もあります。

フリースクールへ相談すれば、お子様の現状学校へいけない悩み事の解決となる糸口、入学後の学校生活についての内容を親身になって聞いてくれます。

まずは不安を吐き出しましょう。

そして、不安を吐き出したあとに、お子様の次のステップに繋がる動きを取っていただければ幸いです。

筆者の日常でもありますが、まず相談に来てくれないことには、解決のお手伝いができません!

日記やブログで記録をつける

親御様自身の考え、お子様の行動の様子などを日記やブログに書き留めておくと、気持ちがラクになることがあります。

書いた内容を読み返すことで、今まで見えなかった視点からの答えが見つかる場合もありますし、相談相手の方へお話しするときにも、そうした記録は資料としてとても役立ちます。

※日記やブログは後に資料となることがあり、日記やブログを基に言いたいことをまとめれば、相談相手と円滑にお話しすることができる可能性が高いです。

また、お話しを聞いた第三者側も、ご相談内容がまとめられているため、初回に出せるアドバイスの精度が上がる可能性も高いです。

フリースクールなどの見学に行く

もし「しんどい・つらい状況」でも行動できる時間と気力をつくり、直接フリースクールの見学などに動くことをおすすめします。

お子様が激しく拒絶するのなら、親御様単独でもよいので、実際にフリースクールの現場を見ておくだけでも価値観の更新になり、雰囲気もわかるうえ、相談もできる、すべての利点を兼ね備えた方法です。

ご入学いただいた後に、親御様から「勇気を出して見学に行ってみて本当によかった」と後日お礼を言われることがたくさんあります。

親子でしんどい想いから抜け出すことが重要

当記事のテーマは「保護者のしんどさ」でしたが、現実には親子でしんどい気持ちから抜け出す必要があります。

不登校の対応にはたくさんの選択肢があり、決して焦る必要はありません。親子で感情的になると悪循環になります。

そういった場合、親御様の方からひと呼吸おいてから行動するようにしましょう。

最後に、筆者の相談事例の中で、ここまでで言及できなかった、特に注意すべき例について挙げていきます。

不登校を乗り越える際に、お役に立てれば何よりです!

ひとり親家庭の例

ひとり親家庭で不登校になると、いくつか注意すべき点が生まれます。

まず、同性(母娘・父息子)のパターンでは親子の衝突が激しくなる傾向があり、異性(母息子・父娘)では、お互いの気持ちがうまく伝わらない傾向があります。

いずれにせよ早めに第三者が相談に乗るほうが、こじれずにすみます。

ひとり親という経済的事情や、仕事で忙しくお子様と触れ合う時間が短くなりがち、といった要素も絡むため、お子様が信頼を寄せている第三者の相手(塾・家庭教師・学校の特定の先生など)を介して親子で話すとよいでしょう。

第三者の相手がいない場合、親御様の父母やご親族に入っていただくのも解決策の一つになると思います。

第三者ではございませんが、親子関係に比べて遠い存在であるため、ワンクッション置くことができる環境となります。

夫婦がぶつかってしまう例

わが子の不登校について、夫婦間の見解や対応が大きく違っていると問題解決に苦労します。

このパターンも本当に相談例が多く、当然ながら、まず夫婦でよく話し合ってもらう必要があります。

ただ、「家庭内で夫婦喧嘩に発展して、不登校のお子様が目撃する」となると最悪の展開です。

したがって、一例ですが、不登校の相談にはなるべく夫婦そろって来ていただくようにしています。

スクールカウンセラーなどの公的支援は平日に限られがちですが、フリースクールなら土日に相談に乗ってもらえるところも多く、お休みを合わせることもできることもあります。

夫婦間で意見が分かれてしまう場合に試していただきたい方法です。

お子様の不登校による親御様のしんどい気持ちからの脱却目指して

少し長くなりましたが「しんどい気持ち」から抜け出すヒントは得られたでしょうか?

筆者の経験も交えた具体例も入れたため、より現実的なアドバイスとしてお読みいただければ幸いです。

不登校で親御様やお子様が置かれる状況は、ケースバイケースなので、絶対の解決法を用意できるわけではありません。

しかし、重要なポイントとして


1:不登校の事実を受け入れる(記事冒頭でも強調した通り、不登校は誰にでも起こり得ること)

2:お子様のために新しい居場所探し、居場所づくりに集中する(原因追求は後回しでよい)

3:誰かに相談する(日記をつけ、スクールカウンセラーやフリースクールに相談できるならベスト)


この3ステップを実践するだけで、しんどい気持ちを解決する道ができあがってくるかと思います。

「長期の不登校をなくしていくために。」


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