お子様とコミュニケーションを取る際の注意点について
前述でお伝えした通り、不登校になってお子様が最初に居場所として選ぶのは、多くの場合ご自宅です。
自宅を居場所として選んだということは、居心地が良いということなので、親御様としてはまずは安心してください。
親子のコミュニケーションに失敗してご自宅にも居場所がなくなり、家出を繰り返してしまうというような例はさらに深刻な事態となります。そうなると、もはや専門家や警察に助けを求める以外に方法がなくなります。
お子様がご自宅を居場所に選んでくれたら、次にすべきことは、お子様とのコミュニケーションです。
しかし、まずは焦らず、お子様の生活の様子をよく観察することが重要です。「不登校を無条件で受け入れて、よくお子様を観察する」という点が大切です。
以下のような症状があった場合には、お子様の生活をよく観察することで、ある程度気がつくことができるはずです。
分類・病名1:発達障害(学習障害・多動など)
症状・説明など:
・自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音など
・小学校高学年くらいまでに違和感に気がつくか、学校などから指摘される場合もある
・軽度なら本人も周囲も気がつかず、そのまま大人になる例もある
・生まれつきなので、治療や回復はあまり期待できない
参考リンク:厚生労働省メンタルヘルスサポートページ(発達障害)
分類・病名2:強迫神経症(強迫性障害)・摂食障害など
症状・説明など:
・自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音など
・異常なまでに何度も手を洗う、虫を怖がるなど、日常生活に支障が出るほどの強いこだわり
・外的ストレスが原因であることが多い
・大人もしばしば発症する
・回復可能
参考リンク:厚生労働省メンタルヘルスサポートページ(強迫神経症)
分類・病名3:ゲーム障害(ゲーム中毒)
症状・説明など:
・2019年に世界保健機関(WHO)が国際疾病として正式に認定したため、注目されている
・ただし、不登校の子どもがゲームに熱中するのは単なる居場所探しや安心感からなので、ほとんどの場合、深刻なものにはならない
・ゲームを取り上げる(=居場所を奪う)のはNG
参考リンク:日本経済新聞
分類・病名4:起立性調節障害
症状・説明など:
・朝がどうしても起きられない、原因不明の頭痛、めまい、倦怠感など
・不登校児の多くにみられる症状
・いじめなど外的ストレスが原因であることが多い
・回復可能
参考リンク:社団福祉法人済生会
上記で挙げたのは、お子様自身におきている内的要因ですが、不登校になったのはこれらに加えて何らかの外的要因(いじめ・ストレスなど)が原因となっていることがあります。
お子様に居場所を与えて落ち着かせ、様子を観察する。ここまできたらやっと、不登校の原因についてコミュニケーションをとりながら探っていくことになります。
ただし、以下のポイントには十分注意しましょう。