小学校時代に人間関係や勉強がうまくいかず、公立中学校への進学を諦め「偏差値の低い私立中学校」を受験される生徒がいます。
しかし、中学受験を乗り越えて私立中学に入学したものの、学校そのものや人間関係などの相性が悪く、環境を変えたいと望む生徒も多く見られます。
そこで今回は、「学びの環境を変えたいと望む生徒の主な理由」「時代に求められる新たな学び先について」解説していきます。
公立中学校への進学を辞めて偏差値を落として私立中学校へ入学してみたものの、「新たな環境で生活を送りたい」と考えているお子様や親御様にはぜひご参考いただければ幸いです
学びの環境を変えたいと望む生徒の主な理由
受験を乗り越えて私立中学校へ入学したのに、学びの環境を変えたいと望む生徒の主な理由を紹介します。
主な理由として以下の2つが挙げられます。
1:学校に馴染めなかった
2:勉強についていけなかった
学校に馴染めなかった
小学校の頃、同級生との人間関係が合わずに私立中学校で新たな学園生活を送ろうと進学してみたものの、同級生や学校の考えに合わずに学校へいかなくなってしまうことがあります。
同級生との「性格や趣味、興味のあるモノゴトが合わない」「自己主張が強すぎて、周囲から浮いてしまう」「コミュニケーションを取るのが苦手」、「学校の決まりごとに賛同できない」など、「価値観の違い」が原因で集団生活に馴染めず、徐々に学校から遠のいてしまいます。
中学生は自分の価値観を身につけていく多感な時期の中で、ささいなことでも友人間や学校間で「価値観のズレ」が生じてきてしまうことがあります。
簡単にインターネットを使うことができるようになってきてからは、親御様や学校側の知らない場所で中学生が学ぶ以上の価値観を入手できる時代になってきました。
そのため、親御様や学校側でも気づくことができない形で、同級生や学校との価値観のズレが以前よりも生まれやすくなってきたように感じます。
学校へ馴染めない原因はお子様本人の問題よりも、情報を簡単に取得できるネット社会が原因の根底をつくる時代になってきているのかと思います。
勉強についていけなかった
受験勉強を突破して入学した私立中学校ですが、授業を受けていくうちに苦手な教科が出てきてしまい、少しずつ勉強についていけなくなってしまうこともあります。
勉強についていけなくなることで、学業に対する興味関心が低くなってしまうことや、勉強に取り組む意欲が不足してくる生徒も少なくありません。
そして、勉強に苦手意識を持ってしまい授業内容についていけず、学校へいくことが難しくなってしまいます。
時代に求められる新たな学び先について
新たな環境で学園生活を送りたいと考えても、そのような学びの環境や場所があるのか不安になる方もいらっしゃると思います。
私立中学校から新たな学園生活を送ることのできる場所には、以下の 3 つがあります。
1:地元の公立中学校へ転校
2:他の私立中学校の編入試験を受ける
3:フリースクールに通う
地元の公立中学校へ転校
1 番簡単な進路方法は、地元の中学校に転校する方法です。中学までは義務教育のため、地元の公立中学校への転校は望めば誰でも確実にできます。
ただ、小学校で人間関係が合わずに私立中学校へ行った場合、地元の公立中学校に転校することで、人間関係が合わなかった同級生とまた同じ学校へ通う可能性があります・・・
転校の際に学校側へ相談するとクラス決定の際に配慮してくれることもありますが、同じ学校に在籍しているため、全く顔を合わさないというわけにはいきません。
公立中学校に転校しても、再び人間関係の問題で不登校になったり、体調を崩したりしては意味がないので、転校して充実した学園生活を送ることかできるかをじっくり検討する必要があります。
他の私立中学校の編入試験を受ける
他の私立中学校の編入試験を受けることもできますが、私立中学校はいつでも誰でも好きな時に編入はできません。
そもそも編入自体がない学校や帰国子女のみ受け付けている学校も多数で、編入条件として住んでいる地域が限定される学校もあります。
編入試験自体も学力が求められることが多いため、難易度はとても高いと言えます。
フリースクールに通う
フリースクールは、不登校の中学生をはじめとして何らかの事情で学校に通っていない学生に、勉強や社会活動のサポート、友達を作るための居場所を作るところです。
民間の教育機関によって運営されており、決まったカリキュラムなどはありません。
毎日の登校や勉強などを強制しないことがほとんどで、カウンセラーが在籍して集団生活のサポートに努めていたり、医療機関と連携して発達障害などで周囲となじめずに学校へ行けなくなった学生に適したサポートも行っています。
近年では、オンライン登校で自宅にいながらサポートを受けることができるフリースクールも増えています。
公立中学校に馴染めないと思い私立中学校へ進学したものの、集団で過ごすことが苦手で「周りと合わせた学園生活をおくること」が難しい方におすすめです。
私立中学校からフリースクールへの入学をおすすめしたい理由
私立中学から新たな環境で中学校生活を送る進路の選択肢として、フリースクールがおすすめです。
おすすめしたい理由には以下の 4 つがあります。
1:個人を尊重している場所
2:自分のペースやレベルに合わせて勉強ができる
3:サポート体制が充実している
4:出席日数の心配がない
詳しく解説します。
個人を尊重している場所
フリースクールは、私立中学校に比べて生徒個人を尊重してくれる場所のため、生徒の自主性を尊重し、「自己決定・自己表現・自己責任」を重視しています。
そのため、フリースクールでは生徒が自分自身の学び方を発見し、自己成長に向けたプロセスを進めることができる場所です。
さらに、フリースクールでは生徒自身の興味や能力に基づいて学習を進めることができます。
教師陣は生徒の学びたいことを引き出すため、生徒と密接に協力していきます。
そのため、生徒は自分自身の学び方を見つけ、自己評価や自己認識を深めることができる場所こそが、フリースクールなのです。
自分のペースやレベルに合わせて勉強ができる
フリースクールでは決まったカリキュラムをこなす必要がなく、「必ず○時間授業を受けなくてはならない」等の決まりもありません。
また、少人数制や個別指導を採用しているフリースクールが多く、生徒のレベルやペースに併せてじっくりと勉強することができます。
そのため、小学校や私立中学校で勉強についていくことができなかった方でも、分からない内容をしっかりと解消することができるため、勉強の遅れを取り戻すことも可能です。
高校進学を考えていて、「自由なペースで勉強していては進学が困難ではないか」と思う方は、高校受験を目標とした授業を行っているフリースクールを選ぶことが重要です。
また、決まったカリキュラムや決まりごとがないと不安に思う親御様もいらっしゃるかと思います・・・
正直フリースクールの中には「カリキュラムがない=自由に過ごすことが教育である」と考えていて、学力面を重視していないところもあります・・・
そのため、生徒1 人1人が「勉強を学べる環境がつくられているフリースクール」を選ぶことが重要です。
実際に説明会や授業体験を行っているフリースクールへ足を運んでみることで、学力の向上を大切にしているフリースクールを見つけることができるはずです!
サポート体制が充実している
フリースクールは、集団生活に馴染める環境をつくるためのサポート体制が充実しています。
フリースクールはスクールカウンセラーが在籍していることが多く、学生たちが自己実現や自己肯定感を高められるよう、カウンセリングを通じた精神的なサポートを担ってくれます。
また、生徒が抱える悩みや問題について周りの生徒へ知られることなく、気軽に相談することができ、適切なアドバイスや支援のためのサポートも行っております。
カウンセラーだけではなく教師陣も生徒の心を元気づけるために、生徒にとって居心地が良い環境作りを大切にした教育方針を心掛けています。
出席日数の心配がない
学校に通わないでいると出席日数が足りなくなって、「高校受験の内申書に悪影響を与えるのではないか」と不安になるお子様や親御様がいます。
すべてのフリースクールに当てはまるわけではありませんが、地元の公立中学校と連携を取り、公立中学校の許可を得ているフリースクールに通えば、在籍している公立中学校の出席扱いとなります。
県の教育委員会に問い合わせたところ、私立の中学校からフリースクールに通う場合も中学校は義務教育のため、通わなくても一旦は公立の中学校に転校して、それからフリースクールに通うという形を取ります。
ただし、市町村によって細かい対応が異なる可能性があるため、まずはお住まいの市町村の教育委員会に問い合わせて相談するといいでしょう。
人間関係の問題が理由で私立中学校へいくことを考えている方は、フリースクールがおすすめです
現在通っている公立小中学校に通っていて、、人間関係や勉強面が原因で「学校へいけない・いきたくない理由がある方」が、私立中学校へいくことを考えている場合、フリースクールをおすすめします。
せっかく問題解決のために進学した私立中学校で、再び人間関係や勉強面でネガティブなことに遭遇してしまった場合、プレッシャーやストレスをさらに増幅させてしまい、学校へ通うこと自体が困難な状況になることや、社会へ出ることに恐怖心を覚えてしまう恐れがあります。
「行きたくない理由」のために偏差値を落としてでも私立中学校へ入るよりも、過度なプレッシャーやストレスを抱えずに、将来を前向きに捉えることができるフリースクールで学んだ方が、貴重な中学生時代を成長の場として過ごすことができるはずです。
新たな学園生活はフリースクールにあり!
がんばって受験勉強をして入った私立中学校を「不登校になって行けなくなってしまった」「なじめなかった」場合でも、その後の進路には複数の選択肢があるため、自分に合った学校を選べば充実した学園生活を送ることが可能です。
その中で、フリースクールは公立や私立の中学校と違い 、1 人1人の個性を大切にしたサポート面を大切にしているため、心身の回復と勉学の遅れを取り戻しながら再び前へ進むことができるかと思います。
ただし、一口にフリースクールといってもスクールによって教育方針や規模に違いがあるため、ご自身の目的に合ったフリースクールを選ぶことがとても重要です。
「近いから」「探すのが面倒くさい」などの理由で、学校の特色を理解せず適当にフリースクールを選ぶと、再び馴染めずに通うことができなくなる可能性もあります。
気になるフリースクールの「説明会」や「授業体験」へ足を運び、ご自身に合ったフリースクールを選ぶことができれば、新たな中学校生活を前向きな気持ちで送ることができるはずです!
そのため、私立中学校から次の道を探している方は、この記事を参考にしていただき、自分に合ったフリースクールを見つけてもらえるよう、教育現場に携わる人間として強く願っております!
「長期の不登校をなくしていくために。」
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